「ミニPCは省電力」とよく言われるが、それはカタログスペックの話であって、実際に自分の部屋のコンセントに挿した時に何ワット食うのかは、誰も教えてくれない。動画を見ているだけなのか、ファイルを圧縮している時なのかでも数字は変わるはずなのに、多くのレビュー記事は「10〜25W前後」という幅の広い一般論で終わっている。電気代がいくらになるのか逆算したくても、これでは計算のしようがない。
そこで実際にGMKtecミニPC(A8-004対象機種)をワットチェッカーで挟み、同一コンセント・電源投入から10分経過後の安定値という条件を揃えて、状態ごとの消費電力を測ってみた。
測定条件
- 使用機材:ワットチェッカー(コンセントと電源プラグの間に挟むタイプ)
- 測定対象:GMKtecミニPC(A8-004対象機種)
- 測定条件:同一コンセント・電源投入から10分経過後の安定値(起動直後の過渡的な値は別途記録)
実測結果:状態別の消費電力
| 状態 | 消費電力 |
|---|---|
| アイドル時(何もしていない状態) | 10.4W |
| YouTube 4K再生時 | 15.7W |
| ファイル圧縮(高負荷時) | 31.8W |
アイドル時の10.4Wは、上位検索結果でよく見かける「10〜25W前後」というレンジのちょうど下限寄りに収まる水準だった(測定条件は同一コンセント・電源投入から10分経過後の安定値。室温・時間帯までは統制していないため、あくまで自宅環境1回分の実測値として参照してほしい)。YouTube 4K再生のような日常的な軽作業では15.7Wと、アイドル時の1.5倍程度に上がる。一方でファイル圧縮のような高負荷作業になると31.8Wまで跳ね上がり、アイドル時のおよそ3倍に達する。「ミニPCだから常に低消費電力」という単純な理解では見落とす差だ。
見落とされがちな「起動直後」の消費電力
今回の測定でもうひとつ分かったのが、電源投入直後の挙動である。電源を入れた瞬間は26Wまで跳ね上がり、起動プロセスが完了すると10W前後まで落ち着く。この過渡的なピークは、多くのレビュー記事が扱う「アイドル時○W」という数字には含まれていない。1日に何度も電源を入れ直す使い方(在宅ワークの合間にスリープではなくシャットダウンする運用など)をしている場合、この起動直後のピークが積み重なる点は見落とされやすい。
競合記事との違い
上位検索結果を調べた限り、実測データを明示していたのは20件中5件のみで、そのほとんどは「アイドル時の1値」を示すだけにとどまっていた。状態別(アイドル/軽作業/高負荷)に分けて、かつ起動直後の過渡的な挙動まで含めて実測している記事は見当たらなかった。
在宅デスクの機材選びを比較でまとめた記事は在宅デスク向けミニPC比較(消費電力・騒音・ベンチマーク実測)にまとめているので、機種選定から知りたい場合はそちらを参照してほしい。
まとめ
- アイドル時10.4W/YouTube4K再生時15.7W/ファイル圧縮時31.8Wと、作業内容によって消費電力は約3倍まで変動する
- 起動直後は瞬間的に26Wまで跳ね上がるが、10分後には10.4Wへ落ち着く
- カタログスペックや「10〜25W前後」という一般論だけでは、実際の電気代は逆算できない